AIによる株式投資初級【デジタル化する銀行】

フインテックの登場から数年、銀行の保有する顧客情報が外部と共有される「オープンバンキング」の動きが顕著になってきた。

銀行は外部連携を前提とするデジタルプラットフォームへの進化を余儀なくされている。

金融の垣根が崩れていく中で、銀行を支えてきた店舗、オベレーション、ITシステムなどのインフラのあり方が変わろうとしている。その流れをけん引するのが、顧客情報のオープン化の流れである。

中国では、アリベイが5億人以上の個人顧客情報を元に、独自の信用スコアの仕組みを作り、今では政府のネットワークと連携し、新たな信用情報基盤として活用が広がっている。

またインドでも、アドハーという国民IDシステムが銀行開設など様々な経済活動に必要とされている。

このように各国でフィンテックなどの外部テクノロジー企業と銀行システムを連結するオープン化、すなわち、オープンバンキングの動きが広がりつつある。

銀行ビジネスはデジタル企業などとの外部連携を元にした新たな価値提供モデルであるプラットフォーム型ビジネスヘと進化してきている。

プラットフォームとは従来の伝統的なバリューチェーンモデルとは異なり、参加者(ユーザ-・企業)が価値を創出し、消費するという双方向で継続的な価値提供サイクルを経てさらに進化していく特性を持つ。

プラットフォーム型ビジネスを前提とした銀行ビジネスモデルは以下の点において、従来とは異なるものになると考えられる。

顧客接点

金融活動の前後では、適切な事業者への問い合わせや数多くの書類手続きを含め、様々な負担が発生する。

双方向型のプラツトフォームビジネスでは、こうした顧客側の負担や困りごとを解決するという視点でのサービス設計が、差別化の観点からも重要になる。
 
エコシステムにおける役割

銀行は長年、規制に従って運営してきた歴史と信頼の実績がある。

今後オープン化の場合には自社のみならず、外部連携のエコシステム全体(ワインテックや事業者と連携したオープンプラットフォーム)に対する顧客データ解析が必要になる。

他にも規制対応、セキュリティー(サイバー攻撃への対応など)、共同での商品・サービス開発、マーケティングなど、様々な価値を発揮するための主導役となることが期待される。

収益源

従来の伝統的な銀行商品(ATM、預金、為替、各種ローンや企業向け融資、クレジットカード等)による利息や手数料は、キャッシュレスの進展に加え、フィンテックや異業種などが提供する代替的なサービスの浸透により、徐々に減少する。

その代わりにプラットフォーム利用料、セキュリティーサービス、送客手数料、広告収入などの割合が高くなるものと考えられる。

インフラ・オペレーション

従来の銀行システムは、商品・サービスごとに構築・運営されてきたが、外部連携を実現する上では、従来のシステムと外部事業者のシステムをつなぐための中間的な接続機能が必要となる。

その結果、銀行システムの構成は大きく変わらざるを得ない。

より具体的には、商品志向のサイロ型オペレーションから顧客志向の統合されたオペレーションへの進化が必要になる。

すでにグローバルバンクにおいては、社員の1/3以上がエンジニアであり、年間IT投資額の4割以上がフィンテック関連に振り向けられているなど、人材構成や投資領域から見れば、伝統的な銀行からテクノロジー企業へと進化していることが分かる。

PwCの2017年世界CEO調査に基づくと、フィンテックに関して、欧米金融機関が売上増強の機会と捉えているのに対して、日本の金融機関はコスト削減の方策と捉える傾向が顕著だった。

また日本の金融機関は、イノベーションが不得意であるという認識も強い。

オープンバンキングの流れに乗り、世界と伍していくためにも、邦銀は意識改革も含めた抜本的な取り組みが求められる。