AIによる株式投資中級【リスクと現在価値の関係】

ここまでの内容を整理すると,高リスク案の現在価値は,分母の要求収益率に高めのリスクプレアムが上乗せされる分,低リスク案の現在価値よりも低く見積もられることになります。

もっとよい言い方をすれば,リスクが高いほど現在価値は低くなるということです(高リスク・低現在価値)。

たとえば,無リスク利子率が2%であるとき,まったくリスクがない投資の場合,「1年後の100万円」の現在価値は98万円です。

純粋に時間の要素だけを切り出しているので,「現在の100万円」と「1年後の100万円」が同じ値打ちを持つはずがないという言い方ができます。

しかし,リスクがある投資の場合,そのリスクプレミアムが8%だとすれば、「不確実な1年後の100万円」の現在価値は90.9万円です。

ここからは,同じタイミングで比較して,「確実な1年後の100万円」と「不確実な1年後の100万円」が同じ値打ちを持つはずはないということが言えます。

リスク・期待収益率の原理

ここで「高リスク・高期待収益率」という言葉の正しい使い方を説明するとにしましょう。

結論を先に述べると,リスクに見合った要求収益率と,それを反映した現在価値が先にありきで,現在の投資額(株式投資の例なので株価)は現在価値の大きさに決まります。

このとき,「高(低)リスク・高(低)期待収益率・低(高)株価」の3者関係が成立することになります。

まず,低リスクならば低期待収益率になることから説明しましょう。

低リスクならば,それゆえに要求収益率が低いため,キャッシュフローの現在価値は大きめになります。

ということは。株価は高くなりますが,それゆえに現在の投資額は大きめとなり,期待収益率は低くなるはずです(低リスク・低期待収益率)。

仮に何らかの理由で「低リスク・高期待収益率」だったとしましょう。

この場合。リスクが低いわりに期待収益率が高いのですから,明らかに有利な投資対象となります。

魅力がある株式には需要(買い)が多く集まる一方,供給(売り囗ま少なく集まりますので,現在の株価は上昇するでしょう。

ところが,調整後の高い株価のもとでは一転して期待収益率が低くなります。

結局,株式市場がきちんと機能しているかぎり,「低リスク・低期待収益率」にしかなりません。

逆に,高リスクならば高期待収益率になるはずです。

高リスクならば,それゆえに要求収益率が高いため。キャッシュフローの現在価値は小さめになります。

ということは,株価は低くなりますが,それゆえに現在の投資額は小さめとなり,期待収益率は高くなるはずです(高リスク・高期待収益率)。

仮に何らかの理由で「高リスク・低期待収益率」だったとしましょう。

この場合,リスクが高いわりに期待収益率が低いのですから,明らかに不利な投資対象となります。

魅力がない株式には需要(買い)が少なく集まる一方,供給(売り)は多く集まりますので,現在の株価は下落するでしょう。

ところが。調整後の低い株価のもとでは一転して期待収益率が高くなります。

結局,株式市場がきちんと機能しているかぎり,「高リスク・高期待収益率」にしかなりません。