AIによる株式投資初級【事業性評価】

金融機関が、財務データや担保・保証にとらわれず、企業訪問や経営相談などを通じて情報を収集し、事業の内容や成長可能性などを適切に評価すること。金融庁における重点検証項目の柱である。

政府は2014年6月末に「日本再興戦略」を打ち出した。

その中で「企業の経営改善や事業再生を促進する観点から、金融機関が保証や担保等に必要以上に依存することなく、企業の財務面だけでなく、企業の持続可能性を含む事業性を重視した融資や、関係者の連携による融資先の経営改善・生産性向上・体質強化支援等の取り組みが十分なされるよう、また、保証や担保を付した融資についても融資先の経営改善支援等に努めるよう、監督方針や金融モニタリング基本方針等の適切な運用を図る」との方針が盛り込まれた。

金融庁では、この方針を受け、事業性評価に組織的・継続的に取り組んでいくための金融機関の態勢整備状況などの実態把握(事業性評価ヒアリング)を金融モニタリングの重点検証項目の柱としている。

ピアリングでは

①事業性評価を戦略而でどのように位置付けているか

②営業施策の実行にあたり事業性評価についてどのような工夫を行っているか

③リスク管理・収益管理・業績評価等においてどのような取り扱いが行われているか

④人材等はどのように育成しているかーなど、多面的な視点から検証が行われている。

事業性評価の考え方

金融庁では、事業性評価について、個々の企業の事業性評価「いわゆるl」利き機能)そのものというよりも、より広い視点で捉えている。

すなわち、対象企業の事業特性や成長可能性、競争環境等を踏まえ、金融機関がどこまで的確なアドバイスを当該企業に行っているのか、経営卜ツプのコミットメントの下、本部はどのような態勢を構築しているのか、営業現場は普段から企業とどういう接触をしているのか一等、金融機関が企業の事業性を評価し、企業を支えるための態勢まで含め、総体的かつ多面的に評価しようとしている。

事業性評価とは、一言で言えば、取引先企業の企業価値を向上させる取り組みである。

また、「地域経済・産業にどのように関与し、支えていくかという金融機関の本来的な取り組みそのもの」とも言える。

いわゆる目利き機能やコンサルティング機能を包摂する、よりダイナミックな概念でもある。

ベンチマークの策定

金融庁は監督・検査を通じて、金融機関によって金融仲介の取り組みの内容や成長支援策に相当の差があることを把握している。

また、企業から評価される金融機関は、取引先企業のニーズ・課題の把握や、経営改善などの支援を組織的・継続的に実施することにより、自身の経営の安定にもつなげていることが確認されている。

そこで、金融機関が自身の経営理念や事業戦略などにも掲げている金融仲介の質を一層高めていくためには、金融機関自身の取り組みの進捗状況や課題などについて客観的に自己評価することが重要であるとの考えの下、金融庁は有識者会議(「金融仲介の改善に向けた検討会議」)での議論なども踏まえて、2016年9月に金融機関における金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価できる多様な指標(金融仲介機能のベンチマーク)を策定・公表した。

「自己点検・自己評価」「自主的開示」「当局との対話」の三つの側面のツールとして金融機関に活用されることが期待されている。

2017年9月までに地域銀行全行が独自のベンチマークを公表した。

また、経済産業省は2016年3月、企業の健康診断ツールとして、六つの指標(財務データ)と四つの視点(非財務データ)から成るローカルベンチマークを公表し、事業性評価の入口(対話などのきっかけ)として活用が期待されている。