AIによる株式投資初級【多様化する店舗戦略】

メガバンクや地域金融機関が、店舗機能見直しや店舗削減を進めている。

銀行と証券の「共同店舗」、複数店舗を一つの店舗内に併設する「店舗内店舗」、個人相談業務に特化した「軽量型店舗」など多様化が進んでいる。

金融のデジタル化の加速や人囗減少、少子高齢化や低金利環境の長期化を受けて、メガバンクや地域金融機関が、店舗機能の見直しや店舗削減を急いでいる。

従来型のフルバンキング店舗を基本としながら、銀行と証券の「共同店舗」、個人相談業務に特化した「軽量型店舗」、複数の支店を一つの店舗内に併設する「店舗内店舗」、1階ではなくビルの2階以上に構える「空中店舗」、商業施設内に相談窓口を設ける「インストアブランチ」など、店舗の多様化を進めている。

店舗活用策として、富裕層など個人の資産運用ニーズの高まりを受けて、提案・相談型拠点を店舗内に設けたり、新設したりする動きもある。

インターネット支店やスマートフォン(スマホ)のアプリでの店舗機能の提供も急速に広がっている。

さらに、生産性向上と顧客利便性確保を両立する次世代型店舗の導入も増えている。

次世代型店舗では、ペーパーレス化、印鑑レス化、タブレットによるローンや金融商品契約、テレビ電話による専門知識を持つ行職貝との面談-などが導入されている。

三井住友銀行は、2019年度までの3年間で全国430店舗をペーパーレス化などのデジタル技術を導入した次世代型店舗へ切り替える。

2017年度に103ヵ店で実施、2018年度は177ヵ店を切り替える。三井住友フィナンシヤルグループ(FG)では、一連の店舗改革により年間200(8円のコスト削減効果を見込んでいる。

三菱UFJ銀行では、個人向けインターネットバンキングを拡大させる一方、2023年度までに既存店舗を半減し、自動化を導入した次世代型店舗や、相談機能に特化したコンサルティングオフィス、グループ共同店舗を増やすことで店舗の多様化を図る予定だ。

みずほFGでは、2024年度までに、傘下の銀行・信託・証券で約100拠点削減する一方、店舗のデジタル化を全拠点で実施し、銀行・信託・証券の共同店舗も2017年9月末時点から30拠点増やし220拠点とする計画だ。

地域金融機関でも、店舗の統廃合や多様化が進んでいる。

過疎化や人口減少などによる来店客の減少が進む中、人件費を含め店舗運営コストを削減しながらも、店舗ネットワークを維持するため、平日に有人店舗の窓口業務を一時休止とする「昼休み」導入や、平日を丸一日休業とする動きも広がっている。

銀行は、顧客ニーズに応えるために、全ての業務を取り扱うフルバンキング店舗を基本とし、夕方の営業時間の延長、土日営業、証券子会社との共同店舗化などを進めてきた。

しかし、上述した店舗の多様化や、昼休み導入・平日休業といった施策は、店舗ネットワークの維持という大義名分はあるものの、コスト削減や人材活用という点で、金融機関側の都合優先の施策とも言える。

店舗は、多くの顧客にとって「できれば行きたくない場所」であり、現在の金融機関には「欲しい商品やサービスがない」という指摘もある。

こうした根本的な問題があるが故に、ネットバンキングやスマホアプリ、ネット銀行・スマホ証券やコンビニATMへのシフトがあり、既存の金融機関の有人店舗の来店客数は減少している。

金融のデジタル化により、個人・法人顧客ともに、例えばスマホで送金、預金、融資など全ての業務を完結できるようになり、また現金の取り扱いに関してもキャッシュレス化の進展も見込まれることから、有人店舗の役割は縮小していく可能性がある。

店舗の多様化や平日休業・昼休み導入などの動きは、しばらく続くとみられる。金融機関は根本的な顧客のニーズに応えなければ、スマホ化や店舗統廃合の動きを止めることは出来ないだろう。