AIによる株式投資中級【将来価値】

ここまでリスクの要素を説明してきましたが,以下では時間の要素に話を移します。

まずは投資したカネが時間の経過に伴ってどのように増えるのかを確認してみることにしましょう。

たとえば「現在の100万円」を運用する場合,期待収益率を10%とすれば,1年後には収益10万円を含めて(収益は年1回だけ発生すると仮定),「1年後の110万円」を生み出します。

では,2年後はいくらになっているでしょうか。

比較的単純な「単利計算」では,最初の投資額に対してしか収益が付きません。

1年目に収益10万円(いわば第1子),2年目に収益10万円(いわば第2子)が得られるため,2年後の投資残高は120万円です。

しかし,この計算法は理論的に正しくありません。

1年後の投資残高は110万円なので,部分的に引き出したりしないかぎり,この時点で100万円ではなく110万円を投資していると考えるべきです。

よって,理論的に正しい「複利計算」にしたがえば,2年後の投資残高は121万円となります。

この時点では,第2子のみならず,第1子から生まれる初孫もいると考えればわかりやすいでしょう。

以上のように,カネには時間を味方につけて増殖する性質があります。

これを「貨幣の時間的価値」(time value of money)と呼びます。

このような要領で子供,孫,ひ孫…と考えていけば,何年後にいくらの投資残高になっているのかを計算することはできますが。より簡単に同じ結果を導き出せます。

期待収益率が10%の場合,1年が経過するごとに投資残高に対して(1 + 0.1)倍ずつ膨らみますから,2年後には2倍になり,3年後には3倍になっているはずです。

時間の経過につれて,カネの殖え方には加速度がつきます。

この数値例のもとで,「現在の100万円」がもたらす「将来価値」(FV: future value)は,1年後に110万円,2年後に121万円。3年後に133万円です。

これに対して,単利計算ならば110万円, 120万円. 130万円ですから,比例的な殖え方にしかなりません。

ということは,子,孫,ひ孫…といったように,ネズミのような殖え方をすることが加速度の原因であることは明らかでしょう。

一般化して述べると,n年後の将来価値は,現在の投資額に(1+期待収益率)のn乗をかけたものになります。

期待収益率がそれほど大きな数値でなくても,年数が大きければ将来価値は大きな数値になります。