AIによる株式投資3カ月で100万円初級【民事信託】

受託者が信託業を営む者ではなく、営利を目的としない信託契約。

柔軟なオーダーメイドのスキームを作れるため、相続や事業承継対策の有力なツールとして注目を集めている。       j

2007年に信託法が改正され、信託銀行のような専門業者でなくても、信託契約を結んで第三者に資産の管理・運用を委託することができるようになった。

このような、受託者が信託業を営む者ではなく、営利を目的としない信託契約を民事信託という。

家族・親族が受託者となることが多いため、「家族信託」と呼ばれることもある。

近年は認知症やその他の事情により正常な判断ができなくなることや、親族間での相続争いが起こることを危惧する人が増えている。

そうした中、遺言書や成年後見制度では不可能な、資産の柔軟な管理・運用・処分を可能とする、オーダーメイドのスキームを作れる民事信託は、活用の幅が広く、多様なニーズに対応できるため、相続や事業承継対策の有力なツールとして注目を集めている。

例えば、認知症などにより判断能力が低下することを危惧する資産保有者(委託者)は、正常な判断ができるうちに最も信頼できる者を受託者として信託契約を結ぶ。

あらかじめ定めた目的に従って、特定の人(受益者)のために、指定した実施時期などに資産を管理・運用・処分するよう定めておけば、相続、事業承継などに関する自分の意思を貫徹できる。

また遺言と異なり、民事信託では相続人の死後の二次相続の時まで財産の行き先を指定できるため、子どもへ、孫らへと先々の承継順位を決めることも可能である。

障害のある子どもや認知症の配偶者ら、自分の死後も生活を支援し続けたい人に、生活費などを確実に届けることもできる。

最近ではペットのための信託という考え方も出てきている。

民事信託については当初、司法書士、税理士、弁護士などが積極的に推進を図る一方で、金融機関の側には積極的に関わろうとする気運が薄い時期があった。

民事信託の受託者に、金融サービスを提供する金融機関も少なかった。

しかし民事信託の有用性についての認識が高まるにつれて、司法書士、税理士、弁護士などの専門家との連携を深め、顧客から民事信託の活用が有用と考えられる相談を受けた際に、専門家を紹介する体制を持つ金融機関も出てきている。

さらに「民事信託サポートサービス」などと称して、民事信託の受託者に対して、民事信託口座(普通預金口座)など、信託目的の達成に必要な各種金融サービスを提供する金融機関が現れてきている。

なお、受託者は信託財産を自分の固有財産から切り離して管理する義務があることに対応して、民事信託口座は要請を受けて審査の上、信託財産であると分かるような口座名で受け入れるものである。

営利を目的としない民事信託とは異なる、信託銀行などの商品(信託銀行などが受託者となる商事信託)にも触れておきたい。

民事信託と類似の機能を発揮するため相続対策商品として人気があるためだ。

「遺言代用信託」は、自分の生存中は自分を受益者として決まった時期に決まった金額を受け取り、自分が死んだ時には配偶者・子どもなどを受益者として、あらかじめ定めておいた金額を一時金や年金の形で渡すといった個人向けの信託商品である。通常の預金は名義人が死亡する
と凍結され引き出せなくなるが、遺言代用信託であれば、所定の証明書などがあれば、即日または短時日でお金を受け取ることができる。

また「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」を活用すれば、民事信託と同様に、自分の死亡後、まずは配偶者を受益者にし、さらに配偶者が死亡した後は子どもを受益者にするといったことも指定できる。