AIによる株式投資初級【求められるマネロン対策】

2019年に第4次FATF対日相互審査を控え、金融庁ならびに各金融機関は、マネーロンダリング(資金洗浄、マネロン)やテロ資金供与の防止に向けた管理態勢の構築・強化を迫られている。

2019年に、マネロン対策などの国際協力を推進する政府間会合「金融活動作業部会(FATF)」による第4次対日相互審査が予定されている。

2008年に公表された、前回のFATF第3次対日審査においては、日本は「テロ資金供与の犯罪化が不完全」「金融機関、非金融機関に対するマネーロングリングの予防措置や顧客管理に関する要件や義務の欠如」など49項目中25項目で「要改善」という厳しい評価を受けた。

その後、2014年6月には指摘事項に対する対応の遅れから、FATFより迅速な立法措置等を促す異例の声明を受けた経緯もあり、金融庁を含む関係当局は強い危機意識を抱いている。

こうした背景から、金融庁は2018年2月、地域金融機関も含め同庁が所管する全ての金融事業者を対象として、マネロン対策のガイドラインを作成した。

リスクベースアプローチによるリスクの特定・評価・低減のステップ、並びに対応が求められる事項、必要な仕組み・内部管理態勢を示し、各金融機関に取り組みの徹底を求めている。

しかしながら、ガイドラインは概念的な内容も多く、地域金融機関を中心に「具体的にどのような取引を当局に通報するべきか」の判断が難しいといった声も上がっていた。

加えて、マネロンに係る体制が十分とはいえない地域金融機関では、多面的に疑わしい取引をチェックするのが難しく、標的になりやすいという懸念もある。

こういった状況を受け、2018年4月に、マネーロンダリング・テロ資金供与防止対策の徹底を図るため、金融庁は地域銀行、信用金庫、信用組合などの地域金融機関に対して、「緊急チェックシート」を配布した。送金業務などにおける確認業務を列挙し、具体例を示しているのが特徴。

これまでは各金融機関の判断に任されてきたが、第4次対日相互審査まで時間的猶予が限られることから、具体例の提示に踏み切った。

緊急チェックシートでは、営業店等の職員が送金取引を受け付けるに当たって、個々の顧客及び取引に関し確認・調査すべき具体的・基本的な検証点を明らかにしている(短期間のうちに頻繁に行われる送金取引に当たらないか、など)。

また、こうした検証点に該当する場合には、営業店等の職員が顧客に聞き取りを行い、信頼に足る証跡を求めることなどにより、追加で顧客・取引に関する実態確認・調査し、また、当該確認・調査結果を営業店長や本部の所管部門長らに報告し、個別に取引の承認を得ることなどを求めている。

他方、低金利や人口減少で収益悪化に苦しむ地域金融機関にとっては、収益に直接的には結びつかないマネロン対策は重荷となっているのが実情である。

こうした状況のなかで、セブン銀行では、他行の口座における不正取引を監視するサービスの提供を開始した。

同行は、主力であるATM運営ビジネスにおいて、2009年より不正取引を監視する専門部署を設け、取引履歴から不審な取引を特定している。

そのノウハウを生かし、地域銀から匿名化された口座の取引データを取り寄せ、独自のプログラムで分析、短時間で同じ口座へ何度も振り込まれたり、複数の口座から一つの口座へ集中的に送金があったりする「疑わしい取引」を見つけた場合に、顧客である地銀に知らせる。

連絡を受けた地銀は口座凍結や当局への通報などの必要性を判断する。

既に、荘内銀行(山形県)と北都銀行(秋田県)を傘下に持つフィデアホールディングスなど、複数の地銀から委託を受けている。複数行が共同で対策を行えば、コスト削減にもつながることから、今後さらに加速する可能性がある。