AIによる株式投資中級【社債市場】

企業にとって負債(debt)は返済義務がある資金源であり,資金提供者である債権者に対しては,対価として「利子」(interest)を支払う必要があります。

定義的に「債券」(bond)とは,元本返済と利子の支払いを約束して発行する譲渡可能な債権です。

株式会社が発行する債券を特に「社債」(corporate bond)と呼びます。

債券には主要なタイプとして,国が発行主体となる「国債」。地方自治体が発行主体となる「地方債」,企業が発行主体となる「社債」の3つがあります。

本サイトが取り扱う対象はコーポレートファイナンス(企業の財務)であり,財政学(国・地方自治体の財務)ではないため,厳密には社債だけが範囲に含まれるのです。

多くの記述は国債や地方債についても同様に当てはまると言えます。

なお,「債権」は銀行借入を含めた負債の全般に対応する用語であり,「債券」は譲渡可能な証券に限定された用語です。

以前,ある学生から「債券はなぜ譲渡可能なのですか」という予想外の質問を受けたことがあります。

そうではなくて,譲渡できる債権を債券と呼ぶことにしたのです。

譲渡可能でないものは単なる借用証書(貸し手から見れば貸付証番)にすぎません。

社債は譲渡可能な証券という特徴について株式と性質を共有しています。

すなわち,社債保有者が必要と判断すれば流通市場で他の投資家に売却することができます。

しかし,企業にとって返済義務のある負債であり,対価として利子を支払うという性質については,株式ではなく,銀行借入と共通点を持ちます。

あらかじめ発行の時点で決めておいた満期(返済期日)に,約束された金額を償還(返済)します。

また,企業は各期の社債保有者に対して利子を支払います。

きちんと社債市場が整備され,スムーズに取引相手が見つかるかぎり,社債保有者はいつでも売却できる安心感があります。

償還が何十年後になる長期の社債であっても,途中で売却する社債保有者にとって長期の投資ではないのですから,これこそが譲渡可能な証券であることのメリットと言えるでしょう。

そうであるからこそ,取引相手が見つかりやすい「流動性」(liquidity)の高い社債市場をきちんと整備する必要があるのです。

株式公開を果たした企業の場合,資金調達の選択肢の中に社債が含まれます。

逆に言えば,数のうえで圧倒的に多い未公開企業は銀行借入に強く依存せざるを得ません。

たとえ私募であっても,知名度が高くない中小企業にとって社債を発行することは簡単ではありません。

ましてや公募ともなると,ごく一部の優良企業に限られます。