AIによる株式投資初級【銀行再編の選択肢】

地域銀行の経営環境が厳しくなる中で、多くの銀行が経営統合や包括的業務提携(アライアンス)に踏み切るようになった。

しかし、こうした再編策が効果を生むためには乗り越えるべき課題も多く、経営陣の責任は重い。

地域銀行での再編の広がり

2015年の鹿児島銀行と肥後銀行による九州フィナンシヤルグループ(FG)、2016年の横浜銀行と東日本銀行によるコンコルディアFG、足利銀行と常陽銀行によるめぶきFG、2018年の近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行による関西みらいFGの設立など、広域型の経営統合が増えている。

さらに、2016年以降、第四銀行と北越銀行(新潟県)、三重銀行と第三銀行(三重県)、十八銀行と親和銀行(長崎県)など、同一県内の競合行の間での経営統合の動きも見られる。

地銀アライアンスの広がり

経営統合には非常に大きなコストがかかる上、広域型の経営統合の場合には地元との関係が希薄化する心配がある。

逆に同一地域内での経営統合の場合には、地域内での独占の弊害への心配から、公正取引委員会の承認が得られないケースもあり得る。

実際、十八銀と親和銀の経営統合は2016年に基本合意しながら2018年まで公取委の承認が得られなかった。

こうしたことから、経営統合といった組織再編を伴わないで、経営統合と同等のメリットを享受する方策として、包括的業務提携(アライアンス)を模索する動きも盛んである。

経営統合に比べて、重複店舗の整理などのコスト削減効果は小さいが、組織上の摩擦は少なく、経営の自由度を維持できることに加え、単独では難しかったサービスの提供が可能になるなど、メリットも多い。

代表的なものが、2016年に千葉銀行と武蔵野銀行の間で締結された千葉・武蔵野アライアンスである。

このアライアンスは資本提携に加え、証券ビジネスでの協力、中小企業向けの協調融資の拡大、ファンドの共同設立、共同ATMの運営などの多面的な取り組みを含んでいる。

また、2016年11月に四国の4地銀(伊予銀行、百十四銀行、四国銀行、阿波銀行)が四国アライアンスを結成した。伊予銀行の子会社であるいよぎん証券を四国アライアンス証券に改名して、4行で共同活用するなどの取り組みが進んでいる。

さらに、特定の分野についての業務提携を実施している銀行も多い。例えば、複数の地銀が共同で資産運用会社を設立するなどの例がある。

提携相手も地銀同士に隕られず、メガバンクやフィンテック企業との提携も行われている。

地銀再編の課題

経営統合やアライアンスは有力な対応策であるので、今後も広がる可能性が高い。

しかし、再編が成功するためには、様々な課題がある。

第一に、経営統合は金融庁や公正取引委員会の承認を得る必要があり、その観点で乗り越えるべき課題がある。

前述の十八銀と親和銀の統合では、問題解消措置として、貸出債権の他行への譲渡が必要になった。

そうしたコストを払っても実現できるメリットがあるのかを明確にしておかねばならない。

第二に、再編による成果を早期に実現することである。

これまでの金融機関の再編では、双方のメンツを立てるために不必要な業務が残されたり、内部調整に大きなエネルギーが取られてしまい、再編のメリットが十分に得られなかったりした例が多い。

また、業務提携の場合には、単に協定轡を締結しただけで現場には何も変化が起こらないままに終わる心配もある。

第三に、再編によって生み出された余裕を、顧客の支援にうまく活用していくことで、持続可能で競争力のあるビジネスモデルを構築することである。

再編はあくまでも良いサービスを提供するための手段であって、それ自身が目的ではない。

再編を成功させるためには再編後の経営陣の責任は重い。