AIによる株式投資初級【PFM】

「Personal Financial Management」の略。

家計に関わる情報を統合するサービスであり、そのプラットフォームは、将来的にはあらゆる金融サービスの起点となるポテンシャルを持つ。

パーソナル・ファイナンシャル・マネジメント(PFM)とは、複数の金融サービスに関わる口座情報を一つのプラットフォーム上で管理できるようにしたサービス及びそこから派生する各種付帯サービスの総称である。

具体的には、銀行口座、証券取引口座、クレジットカードの利用履歴などのデータを1ヵ所に集約し、それまでは口座単位でしか集計できなかったお金の出入りを統合し、スマートフォンのアプリなどの使いやすいインターフェースを通じて閲覧・管理が可能となる。

従前より、特に米国では様々な出自の企業が複数口座の統合閲覧・管理のサービスをアカウントアグリゲーションサービスとして提供してきたが、スマートフォン向けのアプリを迦じたサービスとして展開されることで人きく成長を遂げ、ワインテックの巾の一つの主要な動きと
して注目されるに至る。

日本においては、マネーフォワード、Moneytreeなどのサービスが主なプレーヤーとして知られており、いずれも家計管理の省力化・自動化を売りとしている。

マネーフォワードを例にとると、銀行、証券、クレジットカードの取引履歴を統合した上で、レシートを撮影することによるデータへの反映機能、日々の支出に関する人力支援機能、ネットショッピングの履歴取得などを行い、まとめたデータを分かりやすいインターフェースで提供している。

上記のように、元々は家計管理の自動化といった位置づけであったが、現在は銀行法改正に伴うオープンAPIの流れとともに、そこから一歩踏み出して、フアイナンシヤルアドバイザーのサービスとの組み合わせや、積み立てた資金を運用に回す、といったサービスなどが出てきている。

プラットフォームとして顧客の金融サービスに関わる活動を囲い込む手段としての活用が視野に入りつつある。

以上のような観点から、金融機関にとって、PFMは以下の二つの可能性を持っている。

①顧客にとっての利便性を高めつつ、企業側のコストを下げるWin-winの効果

②プラットフォーム統合により顧客を囲い込み、顧客生涯価値を最大化する効果-。

①については、現在の店舗中心での顧客とのやり取りがオンライン中心となることにより、一つひとつの取引や口座維持に関わるコストの低減が期待できる。

特に、若年層を中心とした、現時点では収益に結びつかないものの将来はコアの顧客となりうる層については、なるべくコストはかけずに関係を持ちたいという企業側のニーズがある。

一方、そのような顧客は、店舗での待ち時間の長さや営業時間の制約に縛られないオンラインでのサービスにむしろメリットを感じることも多く、プラットフォームを通じワンストップのサービスを提供すれば、その利便性はさらに高まる。

②は、特に人口が縮小局面を迎えるような市場における個人顧客向けの金融サービスでは、今後、いかに顧客を囲い込んで、その生涯価値を最大化するかが競争上のポイントとなる。

その競争に勝つためには、業態をまたいだ総合的な金融サービスの提供、一つひとつの顧客と企業との接点、いわゆるカスタマーエクスベリェンスの強化が必要となり、PFMはそのために必須のパーツと位置付けられる。

これらの観点から、金融機関はそれぞれのカスタマーセグメントに対し、PFMを自前ノサードパーティーいずれで行うか、クローズノオープンのどちらのプラットフォーム形態をとるのか、リアルとの連携をどこまで取るのかなど、どのような形で提供していくかが顧客とのやり取りのデザイン、ひいては顧客戦略上の大きな論点となっていくと想定される。